闇の顔

ゆきんこ  2007-10-06投稿
閲覧数[891] 良い投票[0] 悪い投票[0]

夏の夜に

友人と同じ場所にいながら

会えなかったという経験をした私達は

また恐怖の体験をすることになる


季節は冬になり、受験も詰めに入ってきた

友人と塾で黙々と勉強。そのうち帰宅する時間になった私たちはいつも通り一緒に帰る

冬の張りつめた冷たい空気の中を自転車で家路を急いだ

帰り道に踏み切りが一ヶ所ある

踏み切りの手前で一度止まる

前からはサラリーマンが歩いて来る。その後ろにおさげ髪をした女子中学生がいた
(彼女も塾帰りかな)

私らは自転車のペタルを踏み始めた

サラリーマンは眼鏡を掛けていた。
次に女子中学生とすれ違う…

一気に私は鳥肌が立った

冬の寒さではない

女子中学生の顔は真っ黒だったのだ。顔だけ闇のように、目も鼻も口も分からないくらい真っ黒なのだ。セーラー服を着ていたから、ラインまで見えてるのに、顔だけ見えないのだ
サラリーマンは眼鏡だけではなく、全て見えていた

二人とすれ違ってから、友人にその事を話す。
「私も陰みたいなの見えたんだよ」

あとはどうやって家までたどり着いたかは分からない

後から気付いたんだが、その踏み切りは自殺の名所だと…
女子中学生も飛び込み、バラバラになったらしいという話もあったのだ



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ゆきんこ 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ