ねぇ…貴方は、今何を考えていますか?
今年も、またゆっくりと終わりを告げようとしています。
今年は、何をしただろう?そっと、考えてみる。
友達と春の宴を楽しんだり、海で騒いだり…
久しぶりに家族で旅行に行ったり…
そして、貴方と夕日の見える灯台へ自転車で行った。
そうだ。今、思えばあれが今年の1番の想い出!
あれは、秋の真っ只中の話。夜に、彼氏からメールが届いた。
『明日、自転車でドライブダァーッ!!』
意味が、わからなかったが、とりあえず久しぶりのデートなので、すぐにオッケーのメールを返す。すると、数分も立たないうちに、もう一通彼からメールがきた。
『件名:明日のこと
本文:朝4時半にいつもの公園へ!そこから、チャリを飛ばして大神公園まで行くぞ♪』
大神公園とは、この町の隣の隣町にある。海を見渡すことが出来る灯台があるので有名な公園である。
さすがに、自転車ではキツイが…久しぶりのデートなのだ!気合いが入る!とりあえず、動きやすい格好の服装を選び、未だ興奮が覚めないまま、ベッドに潜り込み目を閉じた。
当日は、雲一つない晴天に恵まれる。
片道12時間という、普通では考えられない距離を、途中休憩を挟みながら私たちはたどり着いたのだ!
公園の灯台に着いた頃には、ちょうど海の中に夕日が潜るころだった。
辺り一面、橙のベールが包まれている。
私たちは、達成感からくる涙か、何かわからない涙が、急にぽろぽろと零れ始めた。なんだか、泣かずにはいられなかった。
やがて落ち着いた二人は、夕焼けをバッグに永遠の愛を誓い合ったのだ。
あの日の涙・夕焼け・貴方の笑顔が、未だに忘れられない。
貴方に逢いたい…貴方に触れたい…貴方のはにかむ笑顔がみたい…
だけど、それも叶わぬ夢なのだ。貴方は、私の前から消えていってしまった。星となり、鳥となり、風となり、幾度か私の前に姿を見せた貴方。
貴方の横に私はいない。
私の横貴方はいない。
空白だらけの毎日。
今から…貴方の元へ…行ってもいいですか?