龍達は今の味方の現状に
愕然とした
相手はおよそ百人に対し 味方でまともに
戦える人間は十人位しか 残っていなかった
「それであと何人援軍が来るんだ?」
「…俺達の団体はこの六人だけだ」
「なんだと?お前達だけ?」
「私達が援軍として国を出たときは、スパイ捜索の援軍だったんです」
「まだこんな戦闘の報告は入っていなかった」
「ちょうど入れ違いになったのかもしれないな」
「…そうか…」
男はガックリと肩を落とした当たり前だ
この戦況で頼みの援軍も ごくわずかしか来なく
明らかに敗北決定だった
男だけでなく
その場にいた者達も
失望していた
周りには絶望にも似た
嫌な空気がながれていた
と、その時
一人がその空気のなか
声を上げた
「コウ、今の状況だとどんな策になる?」
龍だった
「待て。今考えている」
実は龍と一緒にきた
コウという者は
頭のきれがよく
策士としては
かなりの腕前だった
「策?こんな状況でなにをしようというんだ…」
彼を知らない者達は
呆れて離れていった
結局残ったのは
龍達六人と
最初に話した男と
数人のその仲間だった
「さて、残ったのはこれだけか」
コウはそれを見て
策を練りはじめた
「……いいか?目的はあくまで援軍が来るまでの時間稼ぎだ。間違っても敵を倒してやるとか、追い返してやるとか思うな」
作戦の最後にコウが言った 策は
こちらからは仕掛けず
相手が来たときのための ものだった