喚魔法はかなり高度だ。だから魔法陣は必要不可欠で、それでいて複雑。
魔法陣の光から現れたのは武装したガイコツ。黄泉の兵士だ。
黄泉は死後の世界…。
ほんとに最悪。ルイに一杯食わされた。明らかにわざとこいつを呼んだ。
「ちょっとルイ!!!」
アタシは怒鳴った。黄泉の兵士はアタシにサーベルを振りかざしてきた。もちろんサッとかわす。そして鏡を出して両手に一枚ずつ持つ。
「あんた謀ったわね!!!アタシがこいつぶっ殺したら次はアンタよ!!!一緒に黄泉に返してやる!!!」
ルイは少し離れた所で爽やかにこちらを見ている。
「沙羅…謀ったのは謝るけど君がオレの魔法を見たがったようにオレも君の力量を知りたかったんだ。沙羅にしてみればこんなヤツ雑魚だろ??」
はぁ??完璧にアタシは頭に血が上っていた。でも黄泉の兵士の次々と繰り出す攻撃をひらりと避け続けた。
「それからそいつ現世の者じゃないから普通の攻撃じゃ食らわないよ!!!」
ルイは口の横に右手を当てて叫んだ。
“今あなたたちが仲間にしろって言ったルイに殺されかけてるんだけど”
アタシは鏡に呼びかけた。
“アイツはお前を試しているだけだ。本当にお前に危険が及べば一目散に駆けてきて黄泉の兵士を倒すだろう”