フェーンにつくと2人は真っ先に族長の住む家に向かった。
家の前には門番らしき男が立っていた。
「あの…マルーンから来ました。リオンと申します。族長とお話しをしたいのですが…」
門番の男はじろりとリオンを見下ろした。
「立ち去れ、けがらわしいマルーンの人間が族長と話をしたいだと?何様のつもりだ?」
門番はリオンを睨みつけた。
「村人の命がかかってるんです!どうか族長と話をさせてください…」
リオンは震える声で懇願した。両親を殺されたことに対しての怒りもあっただろうが一つ言葉を間違えれば殺されかねないという恐怖もあったのだろう。
「マルーンのことなど知ったことか、目障りだ。早く立ち去れ。」
門番の態度にネロは怒りのあまり拳を握りしめていた。
「門番、その者達を中に入れよ。話を聞こうじゃないか」
突然中から声が聞こえてきた。どうやらフェーンの族長らしい。
「ですが族長この者達は…」
「マルーンじゃろ?分かっておる。早く中に入れよ」
門番はしぶしぶと2人を中に入れた。