(あーもー。あいつ(雄)のこと、見すぎてるって!!何やってんだか!!)
見つめながら、ハッと我にかえる。
(でも、結ばれないって考えなくてもいいよね。)
由成は、そのまま教室に戻った。
「おい。雄。」
「んあ?」
「お前さぁ、いつまであいつと遊んでるつもりだよ。」
「いつまでって。そんなに、遊んでるか。」
「遊び過ぎだぁ!!!!」
雄の友達、悟(さとし)は由成のことを言っていた。それくらいの事は雄はわかっている。
(わかってっけど・・・。)
雄は、空を見上げた。今の状況とは違う、青々とした空が広がっていた。
「ゆぅなぁ?」
「ぎっ!?」
「ちょっとぉ。あんたねぇ、何やってんの!?」
「何って・・・何?」
「だからぁ!!!!尾高と何やってんのって!!」
「何って。ええ?何の事?」
友達の実奈からつめ寄られ、うっとなる由成。
「あのねぇ。あんたの事邪険に思ってる子、いっぱいいるよ?だいたい、尾高は一応モテてんだか
ら。」
「そんなこと、言われてもねぇ。」
由成は、雄がおちょくってくる事に抵抗はなかった。が、邪見に思われている事には、ちょっと抵抗があった。
「私が邪見扱いされても、あいつが勝手にくるんだもんね。」
「そりゃぁねぇ。あいつもあいつだぁ。」
「は?」
「なんでもありません♪」
実奈は、そのまま去っていった。
(なにが言いたかったの?)