2人は必死で走った。
後ろから門番の声が聞こえてきたが2人はそんなことは気にせず走り続けた。
村の端まできたが島でもっとも人口の多い村だ。最後は大勢の村人に取り押さえられてしまった。
「逃げ切れるとでも思ったのかマルーン」
門番は不適な笑みを浮かべて2人を見下ろした。
「マルーンだと!?フェーンがけがれるぞ!早く殺せ!」
「そうだ早く殺せ!」
「殺せ!殺せ!」
村人からの罵声が飛び交う。
「殺すんなら俺だけにしろ、この女は何もやってない」
ネロは門番を睨みつけた。
「…そうだな。殺すのはお前だけにしてやろう」
そういうと門番はなぜかリオンの頭を鷲掴みにした。
「おい!何をする気だ!」
「せめてもの慈悲でお前だけを殺してやるんだ。お前にはこの女の苦しむ姿を見ながら死んでもらう」
そういうと門番はナイフを取り出した。
「…いや…ネロ…助けて…死にたくないよ…」
「殺しはせんさ…少しこのナイフで傷をつけるだけだ」
「やめろ!おい!離せお前ら!」
ネロは必死にもがいた。だが数人の男達に取り押さえられもがくことしかできなかった。
「ぁああぁあ!!………う……うぅ…い、痛い…痛い……うぅ…」
ネロがもがいているうちにリオンの悲鳴が聞こえてきた。
門番に鷲掴みにされていたリオンの目には深々とナイフが突き刺さっていた。
「お前が死んだ後はこの女を裸にしてさらし者にしてやるよ」
「うあぁあああぁ!!!!!!!!」
ネロは人の声とは思えない声で叫んだ。