黒翼の翼 11

龍角  2007-10-07投稿
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午後8時20分


パーティ会場では鑑識による現場検証が行われていた。


「これが例のアレか…」


「最早跡形も無く燃え尽きてますね…」


二人の鑑識は白いチョークの線で囲まれた黒翼人の燃え尽きた亡骸…灰の中に金属探知器を当てた。


ピピピ…っと機械音が鳴り、反応を示す。

鑑識は反応を確認すると大きいピンセットを取り出して灰の中を探り始めた。

「おっ…!!
あったぞ!!」

鑑識は堅い『何か』が当たる手応えを感じてその『何か』を灰からつまみ上げた。

それは緑色に輝く石の様なものだった…




第二章:黒神

午後7時10分
執行部の待合室

武将髭の男は不機嫌そうに煙草を灰皿に押しつけた。
「俺は言ったよな?
殺すなって。
なんで俺の命令に背いたのか理由を聞かせて貰おうか?
人質が居たって理由は無しだぞ。
あの状況なら魔法でどうにかなっただろうからな…」
ソファーに座っている龍華は理由を話し始めた。

「俺は殺してません…」

「あぁ?
何言ってんだよ? 跡形も無く焼死させたじゃねえか。」

「確かにある意味そうですけど…
俺は『アレ』を焼却処分したまでです。」

「焼却処分…?
何が言いたいんだ?」

「はっきり言います。
あいつは悪魔じゃない。」

武将髭の男は意味が分からず顔をしかめた。

「どこをどう見れば奴が悪魔じゃないと言えるんだ?」

「見た目じゃないですよ…
違うのは中身です。
あいつは『ドール』ですよ。」

ドールとは錬鉱石という特殊な魔力を持った石を埋め込まれた人間の事で、埋め込まれた人間は自分の人格が消滅し文字通り操り人形と化す。そして一度ドールとなった者は最早元に戻る事は無い。
東日本、西日本両国には死刑囚、無期懲役の罪人に錬鉱石を埋め込ませドール兵団として活用しているが民間人には知らされていない。

そして錬鉱石の製造、利用は全て国によって管理されている。

「あの黒翼人から発している魔力は明らかに錬鉱石のものでした。
まぁそのうち鑑識で結果が出るでしょう。」

「しかし…もしそうだとしたら…
西日本の奴等があのテロ組織のバックにいるか政府の錬鉱石が流出した事になるな…」

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