被疑者達三人の言い分を聞いてから、今度は梅城ケンヤは右手を大きく上げた。
すると、ステージ真横の内部ドアが開き、風紀委員に先導されながら一人の女子生徒が、被疑者達のすぐ前にまで進んで来た。
『斉藤サツキ君―君を痛め付け、凌辱したのは彼らで間違いないかね?』
壇上から尋ねる梅城ケンヤに、彼女は大きくうなずいた。
『ええ―こいつらが』
斉藤サツキは風神タツオ達を一人一人指差し睨み付ける。
『こいつらが、私に付きまとい色々と嫌がらせをして、レイプしたんです!そして、誰かに言ったら殺すと脅されました!!梅城会長!私以外の被害を出さないために、こいつらを死刑にして下さい!!!』
『斉藤、てめえ、汚ねえぞ!!』
彼女の告発を耳にして、風神タツオはわめいた。
『ちょっとトラブっただけで何言ってんだ、てめえは!!』
河田テツヤも顔を真っ赤にして吠えた。
『最初に俺に言いがかりを付け、言い負かされた腹いせにレイプまででっち上げるのか、この嘘吐きが!!!』
木州レイジは逆に斉藤サツキに指を差し返した。
『梅城会長!!こんな女の言いなりになったら、あんたも後悔するぜ!!』
だが―\r
バンッ
梅城ケンヤは両手で演壇を力一杯叩き―\r
『よしたまえ君達―私の目が節穴だとでも思っているのかね?そんな事はない。既に証拠は揃っているんだよ?今更どう振る舞おうが言い逃れは出来ない』
そして、演壇横に控える風紀委員長・赤木マモルに目配せをした。
風神達は一斉に告発者を睨み付け―\r
それを斉藤サツキは悠然と見返す中―\r
ステージの縁にまでゆっくりと進んだ赤木マモルが判決文を開き、厳かに読み上げた!
『本中学校第三学年四組・斉藤サツキを死刑に処する!』
再び体育館にどよめきが起こった。
『な…なぜ…何故です!?』
予想外の事態に、顔面蒼白になりながら斉藤サツキは赤木マモルに声を上げた。
『言っただろう?私の目は節穴ではないと』
演壇上に両肘を乗せ、厳しい目付きで彼女に答えたのは梅城ケンヤだった。
『君は【イジメられ詐欺師】だな―そうやって何人も陥れて来た。ターゲットをわざと怒らせて反撃を誘い、それを過大に言い立てて周りや教師や生徒会を利用し、陰険に葬って来たみたいだね?』