!!
ここはどこだ、ホテル?
いつの間にか結構飲んでいたらしい。頭痛がする。
どこまでも高い天井、大理石の床、きらびやかな家具、空が見える景色、、、
窓際に置かれたガラステーブルに札束が一つ。
昨日はありがとう。曹丕くんとても激しかったわ。
でもお店でのクールな曹丕くんも好きよ。
またお店行くわね。
ババアとやってしまった。
まぁいつもの事だ。
いつもの事…
なぜか涙が溢れ出す。
俺ってこのまま、偽物として生きていくのか?
ヤツの代わりに女の欲求満たして、金もらって捨てられんのかよ。
五年も同じ事繰り返していまさらか。
もう昔には戻れない。
いっそ俺も向井遥の兄でーすとか言って、芸能界入っときゃ良かったな。
札束を握りしめ、涙を拭い急いで部屋を出た。
現実から目を背けたい一心だった。
人並みに生きたかったな。
サングラスからは急ぎ会社へ向かうリーマン…
羨ましく思えた。
俺やっぱどうかしてるわ。久々にヤツを思い出して、調子狂ったんだよ。
そうだよ、こいつらからしたら俺のほうが羨ましいよな。
女騙して稼いでるんだ、したくても出来ねぇよな。