「早くその男を殺せ！殺せ！」
「早くやっちまえ！」
村人からの罵声はやむことはなかった。
門番はリオンの目からナイフを引き抜きネロの方へ向かってくる。
「殺してやる!!!フェーンの人間全員殺してやる!!女も子供も全員殺す!!」
ネロはいつもの冷静さを完全に失い叫び続けた。
「殺されるのはお前の方だ。死ねば楽になる。苦しみから解放される。」
門番はナイフを持つ手を振り上げた。
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突然村人の罵声が消え静まり返った。
すると一人の村人が口を開いた。
「か、神様……!!」
村人達の視線の先には金髪で白い肌の男が立っていた。
さっきまで悪魔のようだった村人達は皆神の前にひれ伏していた。
神は状況を確認するようにしばらくあたりを見渡し口を開いた。
「門番、その者達を逃がしてやりなさい」
ひれ伏していた門番は神の言葉が意外だったのか驚きの顔を神に向けた。
「し、しかし…！こいつらは族長や神様のことを……!!」
門番が言い終わる前に神は言葉を発した。
「分かっていますよその者達が何を言ったのかも、ここへ来た理由も、ですが…今回は許してあげてください。」
「わ、分かりました…！神様の命令であれば…！」
門番は２人を無理やり立たせ村の外へと突き飛ばした。
「けがらわしいお前らを助けてくださった慈悲深い神様に感謝しろ！二度とこの村には近づくな！」
門番はそう吐き捨てると村の中に戻っていった。
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