村につくとリオンはすぐに傷の手当てを受けた。
ネロは族長の所へ向かった。
「すみません…族長…俺…リオンを…」
ネロの声は震えていた。
「気にするな、ネロ。リオンも覚悟の上で交渉に向かったんじゃ…責任はわしにある…」
族長は目を伏せたまま、やはり孫であるリオンを危険な場所に向かわせたことを後悔しているようだった。
「族長!!」
ネロは急に立ち上がった。
「何じゃ…？」
「俺は、もう我慢できません!!俺は神を殺す…」
「ネロ…滅多なことを言うんじゃない…神様を殺すなどと…」
「族長!!あなたも思っているはずです！やつは神なんかじゃない！リオンの両親を殺しリオンの目を奪ったあいつが神なわけがない！」
「落ち着きなさい。神様はまぎれもない神じゃ、容姿も肌の色も違うそれに不思議な力も使う。この件は後じゃ。少し頭を冷やしてきなさい」
「……!!」
ネロは何も言わず外へ出た。
「ネロ、待ちなさい」
族長の声だ。ネロが外へ出た後すぐに族長が出てきた。
「話は後じゃなかったんですか？」
「…フェニックスの家に行ってみなさい」
族長は少しばつの悪そうな顔をした。
「フェニックス？『悪魔の書物』を調べてる変人ですか？」
『悪魔の書物』とは何年か前に砂浜に打ち上げられた本のことで見たことのない文字や奇妙な絵が書いてある。
その本を拾った者はその後海で溺れて死んだらしい。
偶然だという人間もいるがそういうこともあり『悪魔の書物』と呼ばれている。
という噂話しかネロは知らない。
フェニックスはその呪われた本を熱心に調べていて村のみんなから変人扱いされている。
「フェニックスが妙なことを言っておった。やつは何か知っているかもしれん。とにかく行ってみなさい」
ネロは変人と呼ばれる男を信用することができなかったがとりあえず行ってみることにした。
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