村から少し離れた場所にフェニックスの家がある。
(コンコン)
ドアをたたいたが返事がない。
(コンコンコン)
返事がない。
(コンコンコン)
何度かたたいたあとドアがゆっくりと開いた。
「…誰だ?」
やつれた顔の男が出てきた。
「フェニックスさんですよね?」
男は不信そうな顔をした。
「確かに僕はフェニックスだが、何か用かい?」
「族長がフェニックスさんなら神について知ってるかもしれないと聞いて来たんですが…」
「君はいったい何をしたいんだい?何のために神のことを聞くんだ?」
フェニックスは更に不信そうな目でネロを見た。
「神を殺すためです」
それを聞いたフェニックスはニヤリとした。
「君も…変人だねぇ…クククッ…」
フェニックスはなぜか嬉しそうだった。
「僕の知ってることすべて君に話そう…もっともほとんど推測のようなものだけどね」
そういうとネロを中に招き入れた。
「まず神は何者か、この『悪魔の書物』を調べた限りでは…」
フェニックスはもったいぶっている。
「神はいったい何ものなんですか…?」
ネロはたまらず質問した。
「僕の考えでは…やつはただの人間だ。…僕らと同じ人間だよ。」
「人間!?でもあの姿と不思議な力はいったい何なんですか!?」
フェニックスの意外な答えにネロはさすがに驚いていた。
「島の人間はこの島が全てだと思っている。あの海の向こうには僕らと違う色の肌を持った人間がいる。書物によるとあの神はおそらく『白人』だろう。」
「肌の色が違う…?でも…!あの力は!?手を触れずに罪人を殺した…!!」
「外の国には『ピストル』という道具があるらしい。それを使えば手を触れずに人を殺せる。」
フェニックスは自慢気にネロに書物を見せた。