書物には見たことのない文字と絵が書いてあった。
「『ピストル』?これが…?」
ネロはぽかんとしている。まさかこんなもので人を殺せるのか…ネロはそう思った。
「外の世界にはピストル以外にもこの島に無いものがある。」
「外の世界にあってこの島には無いもの?」
「うん、『戦争』と言って人と人が殺しあいをして土地や物を奪いあう。時には自由を手にするために…それが外の世界にはある。だから人を殺すための道具『ピストル』が存在する。」
ネロにはあまりにも衝撃的な話だった。
人と人が殺しあいをするなどそんなこと考えられなかった。あの神が現れてからだ…この島でも人と人が殺しあいをするようになったのは…
「僕から言わせればあいつは神じゃなくて悪魔だ。人と人が殺しあいをする恐ろしい世界から来た悪魔だ。」
ネロは何かを決意したのか突然立ち上がった。
「やつは神様のふりをしたただの人間…!!殺すことで解決するのはこの島のやり方に反することにななる…だがこの島の人間を騙してきたあいつを許すわけにはいかない…」
フェニックスはまたニヤリとした。
「ネロ君、その神殺しに僕も参加させてくれないかい?確かに話が矛盾しているが…楽しそうだ…」
「はい…!こちらこそお願いします!」
ネロはフェニックスと握手した。
「おい、ネロ」
後ろから聞き慣れた声がした。
「フリー…!?何でここに?」
そこにいたのは幼なじみで狩りの名手、村一番の戦士と言われるフリーだった。
「族長がお前を手伝ってやれって、仕方ねぇから手伝ってやるよ」
そしてその日神殺し計画が立てられた。