『『おかしい…』』
ギロチンから開放された龍華とエルファはお互い顔を見合った。
多分同じ事を考えているのだろう。
『『何で昨日のブランティーのご令嬢がこんな所にいるんだ?』』
ブランティー
それはフランス王族の嫡流を祖とする一族であり、現当主は有名な外資系製薬会社の社長を務めている名家中の名家である。
そんなブランティーのお嬢様が、しかも昨日助けたお嬢様が目の前に現れた。
しかも子供達に目茶苦茶人気…
「あのー」
「えっ!?
何!?」
龍華は何故彼女がここに居るのか考えていると麗奈が話し掛けてきた。
「昨日の方ですよね…?」
「あぁ…」
「昨日は助けて戴いて本当にありがとうございました…」
麗奈はペコリと頭を下げる。
「いーんだよ、あれが俺の仕事なんだから。
それより腕の怪我は大丈夫か?
ちゃんと治ってたか?」
「はい!!
お陰様でこの通り跡形も無く消えてますよ。
それより田村さんから聞いたのですけどお二人は園長先生の息子さんなんですか?」
「龍華はな。
俺は息子では無いよ。
まぁ俺にとっては本当の親爺同然だけどね。」
麗奈の質問に今まで黙っていたエルファが答えた。
「そう言えばまだ名乗ってませんでしたよね…
私は麗奈=ブランティー
この子は私の高校の友人の幸村美姫です。」
自己紹介をすると二人は軽く会釈した。
「俺は龍華=マクセム。
知ってると思うけど執行部に所属してる。
こいつは俺の同僚のエルファ=シャシャルよろしくな。」