「人・・・?」
虚ろな意識の中、龍一は確かにそれを確認した。
「ウー・・・?」
GAもその無防備な状態の男に気付いたようだ。
ズン・・・ズン・・・
・・・GAが重苦しい足音と共に近付いてくる。
「ヒィッ・・!」
龍一は痛みで言うことを聞かない体に鞭を打って、ほふく前進した。
ズン・・・!ズン・・・!
尚も足音は近付いてくる。龍一は力を振り絞った。
ズン・・・
「グフッ・・・」
GAの足音が止まる。龍一は恐る恐る後ろを見た。
「・・・・?」
こっちを見ていない。
見ているのは・・・あの男だった。龍一には目もくれずさっきの男をジッと見ている。
その時龍一は直感した
「喰う気だ」
と、
それと同時に思った。いや・・・思ってしまった。
やった
逃げれる
・・・・・と。