病院につき、すぐに母の元へ駆け寄り、手を握った。
ドラマでよく見るシーンの様だった。
「母さん、今手紙を読んだんだ。ありがとう、僕、強く生きるから」
「て、手紙?私は書いてないよ…」か細い声で母は答えた。
「母さん笑顔を見たいって書いたじゃないか」
「ずっと思ってた事だね…あんたの笑った顔が大好きだったから。笑わなくなってから、ずっと思ってたんだよ。あんたみたいなジャニーズ系は、笑ってないと損しちまうんだから」
母は少しだけ笑顔になって僕の手を握った。握り返した母の手は、力がなく、弱々しかった。
僕は
「そうだよな!母さんが産んだイケメンが台無しになっちゃうよな」と、これでもか。と言うくらいの笑顔を見せた。
母は大粒の涙を流し、そのまま息を引き取った。
その日の夜。病室の遺品を整理していると、引き出しの中からまた。
「あの鍵」が出てきた。