「アイアムノーブラ!」 「直訳すると[私はブラをつけていない]だ」 目が覚めた瞬間にこんなくだらないギャグをやられると私は自分の拳を抑えきることができない。 どちらかといえば、まあどちらともボケに分類される悪友2人。 とりあえずどつきやすい場所にいた峰西水恋(直訳したほう)のメガネめがけてグーパンチを食らわせる。 「なっ!?暴力反対!」 相方がやられ悶絶する姿に身の危険を感じたのだろう、矢北あみ(ノーブラと言い放ったほう)が教室中に響き渡る声で叫ぶ。 「これは愛だよ」 と言いながらあみに近づき鼻をめがけてグーパンチ。 「それでは授業をお続けください」 と一礼して席に着く。そう、今は授業中。 今日も九州東女学園高等部は通常運営中だ。 新任の国語教師舞子ちゃんははにかみながら板書を再開する。 「ふむ、やはり舞子はまだまだ甘いな」 比較的回復の早いタフガール水恋がメガネをかけ直していう。 「このままでは生徒に舐められっぱなしの教師になりかねん」 「たしかに」 と私が続く。 授業をサボって居眠りする私がいうのもなんだけどね。 「だったらば!!」 悪友のよりバカな方がまた叫ぶ。だったらばってなんだよってのは無しにしよう。 「だったらば!我々で舞子ちゃんを育ててあげようではないか!」 その何気ないプライスレスな言葉が私たちを夜の学園に忍び込ませることになるのだった