その男の名前は篠田といった。昔の友人と久しぶりに会って童心に戻り、かくれんぼをする事になった。
鬼は、篠田になった
100秒数えて探しに行くと全員で五人いたのに四人
しか見つからない。
あきらめかけて呼ぼうとすると足に何かがぶつかった。それにムカつき、蹴ろうとすると、それが人間の手であることが分かった。「まさかな…」そう思い、ふと見ると見つからなかった一人であった。
「………!」
叫ぼうとしても驚きのあまりに声が出なかった。
首があり得ない方向と角度に曲がっている。
死んでいるのは明らかであった。だが顔が笑っているのだ。そしてだんだんと、近づいて来る。
そして篠田の顔に手がかかって、何かを言ってた様な気がした。だがその直後に篠田は気を失った。そして薄れてゆく意識の中で何と言われたのかが理解出来た。彼は篠田にこう言ったのだ。
「次は君が鬼だよ…」
その数日後、篠田は病院のベッドで目が覚めた。彼はあの時のことを夢か幻覚だと思った。実際に他の友人もあそこにいたのは、篠田を含めて四人しか居なかった、と言っていた。
しかしながら、何かが気になるのだ。
まるでその死体に会ったことがあるような気が…。
この事が分かるのはさらに数ヶ月後のことである。
つづく