ことり

帰人  2007-10-10投稿
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あの少女は耐えていた。

しわくちゃになったベットの上で、笑いながら絵本を読んでいた。

ねぇ?
なぜあなたはそんなに笑顔でいられるの?
明日が怖くないの?

そんなことを聞いてもただ悪戯っぽく笑ってる。

あの少女は自分の未来が知らないのだろうか?
悟っていてあんな無垢な笑顔が作れるのだろうか?

…私には無理だ。

この世から去る日が急激に近づいているのを感じる。

みんなが言う「明日」がやって来るのだろうか。
そう思うと不安でしょうがなくなる。


…情けないな。


自分が小さいよ…。


あんな小さな女の子が体に何本もの管を通し、口には人工呼吸器が取りつけられ、それでも…それでも小鳥の様な可愛らしい笑顔で笑うんだ。


あなたから見た私はきっと、影の様なぎこちない笑顔で笑うんだろうな。



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