不安な気持ちを抱えたまま、時間は5時。
悠哉と一緒に帰らないと。
教室には誰もいない。
ガラッ
「……美保」
「悠哉!」
「先帰ったかと思った。」
「約束したじゃん。」
本当は怖いけど、悟られないように笑顔を振りまく。
「…佐々木から聞いた?」
「うん。」
「俺が怖くないの?」
「えっ、えっと」
「本音でいいよ。」
「…うん。少し怖い…かな。」
「やっぱりね…」
「でも、嫌いになってないよ!」
「無理すんな(笑)」
「無理なんか…」
「このまま付き合っててもいいの?」
嫌だ。だけど…
「当たり前でしょ」
別れたら、殴られるかもしれない。
「ありがとう。振られるって思ってた。俺、美保がマジで好きだから!」
「……うん」
「じゃあ帰ろ!」
あたしはこれから悠哉に怯えながら過ごしていくのか。
明日から学校に行くことが辛い。
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次の日、いつものように葵が迎えに来る。
「悠哉君って人殺しじゃなかったんだね!」
「え?」
「佐々木君が言ってたよ。芝居だって。」
どういう事?