次の日。
(まともに、顔合わせできないし。)
由成はそう思いながら、登校していた。
「でもなぁ〜。」
「なにがだ。」
ドキィッとした。聞き覚えのある声。おそるおそるふり返る。
「あっ。ども。アロハ。アニョハセヨ。」
「なに意味不明な挨拶してんだ。」
「だって・・・。」
「なんだよ。」
「なんでもないよ!!」
由成は、ダッと駆け出した。
「あっ!おい!」
雄は、あっという間に行ってしまった由成に追いつこうともしなかった。追いついたところで、何を話せばいいのかわからなかった。
「あいつ。気にしてんのか?」
「おはよ・・・。」
「う」まで言い終わらないうちに、女子が集まった。
「ちょっと、山東さん。尾高君がさつき野さんに告白されたって本当?」
「えっ?」
「2人とも仲良くしてるから、もうとうの昔にひっついてると思ったけど、違ったの?」
「はっ?」
「とりあえず、最終的にはどうなの!?」
「いっ・・・。」
女子の大群につめ寄られ、ひいている由成。
「そこ、どけ。」
「あっと。本人に聞くが早し!!尾高君!さつき野さんに告白された?」
「されてねー。」
雄が、そう答えたとたん、あたりが一瞬静まった。そして、
「「「えええええええええええええええ!??!?」」」
絶叫と、嘆きが混じった叫びが響いた。
「どういうことよ!」
「じゃあ、一体誰が嘘を!?」
「山東さん、あなた?」
「違うっての!!(っていうか、なんでぇ!?)」
『山東、ちょっと来い。』
「はっ?」
言うが早いか、動くが早いかあっという間に連れ去られてしまった由成。その光景は、唖然と見ているしかなかった。