4の呼吸 ?

SABLA  2007-10-11投稿
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 目の前の看板を見ると、゙喫茶"という文字が書いてあった。
 おそらく文字どうりの店なんだろうなと思い、木戸は阿部より先に店に入る。
「おい、なにしてるんだ?」
木戸は空腹だったので、なかなか店に入らない阿部に少なからず苛立っていた。
「いや、ただメニューを見てただけですよ。ここって和食もやってるんですね。」

 阿部にそう言われてテーブルの近くのメニューを見る。そして目を見張った。
「おっ、サンマ料理じゃないか。ここ、ホントに喫茶店かよ?」

 木戸がそんなことを言っていると、奥から誰かが近寄って来た。見た感じはとても優しそうな男で、中年の風合いが、はげた頭からわかった。


 「いらっしゃいませ、お客さん。ここは元々定食屋なんです。だからそういった和食は定食屋のころの名残なんですよ。」


「いやぁ、そうなんですか。でも私たちにとっては、うれしいことですよ。なあ阿部君?」

「はい。全くですね。じゃあサンマ定食を二つ・・・」

「はい、かしこまりました。少々お待ちください。」
と言うと中年店員は奥に去って行った。それを見て木戸は口を開いた。


「じゃあ、本題に入ろうか。」


それを聞いて阿部は息を飲んだ。

 時計は11時を過ぎたばかりだった―――



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