昔。
大好きだった人に決死の覚悟で告白をした。
「俺も、好き…」
嬉しかった。
まさかOKがでるなんて思ってなかったから。
毎日一緒に帰ってデートをして喋って。
幸せだった…
当日、私の母親が再婚をして姉ができた。
綺麗で美人で、頭がよくて、憧れの姉になった。
けれど、姉は私を嫌っていた。
「近づかないで」
その一言が、初めての姉との会話だった。
けれど、私が大好きな彼を初めて家にあげた後に姉が初めて自分から話かけてくれた。
「彼氏?いい人そうね。幸せにね」
嬉しかった。
涙がでるくらいに。
部活で遅くなって。
7時位に家に帰ってきた時、親はいなかった。
姉の靴だけがあった。
「お姉ちゃーん?」
「…い…!…す…ょ」
「お姉ちゃん?」
心臓が、とてつもなく速く脈打っていた。
この時。
きずかなければ。
幸せな時間は、続いたのかな…?
階段をゆっくり上がる。
姉の部屋の扉が、私に中を見ろと言わんばかりに微かに開いていた。
「一樹…ダメェ…」
「朋…愛してる」
そこには。
愛し合っている姿の。
姉と彼氏がいた。
その光景を見た私は、きずかれないように部屋に帰って泣いた。
あの時、姉の部屋に入らなかったのは嫌われたくはなかったから。
姉に…。
彼氏より、姉に嫌われたくなかった。
次の日、彼氏に別れを告げた。
それから、そういうことは度々に続いた。
姉はその度に
「あんたは本当いい男連れてくるね。お姉ちゃん本当嬉しい」
姉が笑ってそう言う姿を見て、自分まで嬉しくなっていた。
快感だった。
その頃。
学校の男子達の間で、私と付き合えば綺麗な姉と付き合えるという噂がたち初めていた。
それから、告白される事が多くなり。
姉のためにと告白をうけるようになった。
「好きだ!」
その言葉の裏に、姉しかないことを知っていたから、冷めた目でそれを受けて、その日のうちに家に連れて行って姉に合わせた。
私は、人を好きになれなくなった。
友達は
「止めなよ?そんな事」
と心配してくれた。
けれど
私の心はすでに死んでいて、誰も信じられなくなっていた。
もう。
止められなかった…