龍と狼6

武藤 岳  2007-10-12投稿
閲覧数[608] 良い投票[0] 悪い投票[0]

政府は、外政よりも内政をより重視し、国内世論も徐々に右傾化しつつあった。
民自党主席であり内閣総理大臣の棟方肇は対中国・韓国政策は強硬路線を打ち出した。
靖国神社の参拝も公然と行い、特に竹島の領有問題では、竹島の周囲と上空を海上自衛隊の艦船と艦載機で封鎖し、韓国側が竹島に配備している韓国軍との緊張が高まっていた。
また、中国・韓国系の企業には関税を大幅に引き上げ、マスコミなども積極的に利用して、これまでの仲良し外交の終焉を表明していた。
アメリカは、棟方政権に対して初めは慎重路線を崩さなかったが、肥大化する中国への牽制もあり、日増しに棟方を擁護・容認する発言が増えていた。
また日本・アメリカのそれぞれの世論も、“モノを言う指導者”として、棟方の支持率は上がっていた。




夏の真っ青な青空の下、家族連れや様々な人通りで賑わっている土曜日の銀座。

一台の黒いハイヤーが左折しようと交差点に差しかかった。

交差点を行き来する人を待って、動き出す・・・はずが、動かなかった。

左後部のドアが、開いた瞬間、二人の男性が折り重なるように倒れ出てきた。

一瞬、周囲の人達は何が起こったのか理解できていなかった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 武藤 岳 」さんの小説

もっと見る

ミステリの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ