たれまに〜Anniversary〜(9)

じゅりあ  2007-10-13投稿
閲覧数[233] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「あれから誰かにバカにされねぇように変わったつもりだ。
今のおれならおまえの事も守ってやれると思う」

そう言うと座り込んでいた私を抱き締めた。

「ちょっ…!!」
離れようとする私を更に強く抱き締めると、

「おれなら泣かせねぇ…」

そっと呟いた。


そんな事言われたら、抵抗出来ないじゃん…。

「せ…せこ」

やっと口に出来たのがこの言葉。

「今、私弱いんだって…そゆ事ゆー…?」

力の入った腕が少し緩くなって、

「んなもん、知るかよっ」

松本が言った。



何で、ここにいるのが、

こう言ってくれるのが、

和也じゃないんだろ?

私が好きなのは和也だよ…?


二人きりの屋上で、顔が熱くなるのを感じた―。





「彩〜!」
予鈴が鳴って教室に戻ると委員長の岸川ちゃんに声を掛けられた。
「ん?どしたの?」
何事もなかったように接する。

「さっき真鍋先輩が訪ねて来たわよ」
「え?」
「何だかずっと彩を探してたみたい」

…和也が、来た…?
「ありがと」
それだけ言うと席に戻って鞄を探る。

慌てて松本を追ってったから忘れてた!

取り出した携帯の着信履歴を見ると和也から数件入っていた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 じゅりあ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ