ヤス#169

チャーリー  2007-10-13投稿
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ヤス#169
【運命の時】
「着いたよ、母さん」
「ええ…素敵な所ね…まるで時間が止まっている…何だか懐かしいわ」

久しぶりの我が家。ヤスが旅立った時のままだ。イロリに火が入れてある。自在鍵から下げられたヤカンの口から湯気が立っていた。小さな老人がちょこねんと座っている。

「サトリ…サトリか?」「フオッ、フオッ、フオッ…待っていたぞ…おおっ!ギではないか!久しぶりじゃのお!」
「おおっ!サトリ!久しぶりだ。元気そうだな。相変わらず醜い姿をしている」
「ぐっ!フオッ、フオッ…ギこそ、相変わらず口の悪い…そこにいるのは母様じゃな?」
「はい…初めてお目にかかります…」
「そうか、そうか…ワシは初めてはないぞ。相変わらず美しい」
「親分はギという名前ですか?」
「うむ…我々の世界ではそう呼ばれている。他にも名前はあるがな…うあっ、はっ、はっはっ」
「ギ…」
「うむ…忠義のギ…義理人情のギ…俺は義に生き、そして、義で死ぬ」
「なるほど…それで…サトリ…か」
「今頃気がついたか…ヤスはまだサルマタとランニングシャツがお似合いじゃ…ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
「悪かったな…ふん!」「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
「うあっはっはっ」

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