ガラガラ
ガラガラガラガラ
コトン
「…で、出た!」
千明は恐る恐る確認してみた…
その玉は少し色あせていたものの明らかに金色だった。
「き、金だ…!金が出た!!」
それを確認したおじいちゃんは腕がちぎれんばかりにチリンチリンを鳴らした。
「おおぉ!!金じゃあ!…金の玉じゃあぁぁ……!金玉じゃあ!!」
おじいちゃんは無邪気な子供のように金玉を連呼した。
「お、おじいちゃんもうやめて!恥ずかしいよ!」
千明は急いでおじいちゃんを取り押さえた。
「す…すまん、なにしろ金が出るのは久しぶりなんでのぉ…」
おじいちゃんは鼻息が荒くまだ興奮しているようた。
「おじいちゃん!賞品は!?女子高生!?」
千明の鼻息も荒くなった。
「ん〜それは分からんのぉ」
千明は耳を疑った。このじいさんは何を言っているんだ?ボケたのか?千明には理解不能だった。
「賞品は自分が一番望むものじゃ、もう家に届いておるぞ」
「はぁ!?何言ってんだじいさん!俺を騙したのか!?」
千明はだんだんイライラし始めた。
「とりあえず…帰ろうか少年」
おじいちゃんはポンポンと千明の肩をたたくと帰り始めた。
「ちょ…!待てじじい!」
千明は振り返った。
だがすでにおじいちゃんの姿はなかった。