「じゃ、逆に質問。私達がここに墜ちたのはいつだった?」
「それは…深夜だろ」
竜二は少し驚いている。まぁ、さっきまでテンパってた千春が推理を始めたんだから、当然の反応かな。
「で、今この街は、深夜でしょうか?昼間でしょうか?」
千春がさらに続ける。
「あ…」
ぽっつりが呟いた。
「つまり、時差があるのか?」
千春は「よくできました」って感じでぽっつりを見ると、
「そ。つまり、時差があるから、ここは外国ってわけ!」
「なんだ…そういうことか…」
竜二が驚きの声をもらす。
「ちなみに、昼間の太陽の関係から、ここが地球だってことはわかるわね」
おぉー!
私は少し感激していた。やっぱり、弁護士を目指すだけのことはある。千春はすごい。
「それより、ここがどこなのか、街の人に訊いてみなくちゃ!いくよ!」
千春のかけ声で、私達は歩き始めた。
…………………。
しばらく歩く。でも、人が見つからない。昼間なのに、人が一人もいないなんて…。
「なんなの、ここ…昼間でも人がいない外国なんてあるの?」
あーずがため息をついた。
「人なら来たぞ」
ドクタが指さす方向は、確かに人がいた。
「すみません。あのぅ、ここはどこの国なんですか…?」
怖そうな男の人だったので、千春は気弱な声で訊ねた。
「ん……昼間から人かぁ……!…こ、子供!?な、こんな時間になにをしている!」
私達はキョトンとしていた。
だって、まだ昼間なのに「こんな時間」って言われても、意味が分からない。
「お前ら、ちょっとこっちへこい」
男の人は、ドスのきいた声で言った。けど、私達は危なそうなので、近づかない。
「まて、ゴーズ」
すると、赤い髪の美人な女の人が歩いてきた。
「おぅ、マージか。なんか、こいつらが、昼間にノコノコ歩いてやがって」
「ふぅん…」
マージと呼ばれた女の人が、じーっと私をみる。私の背中を汗がつたった。
「もしかしたら、"ヤジ"の奴らかも」
「!?」
な、や、野次ぃ!?
「ちょっと、異国の匂いがする。」
「な、なによ。人に向かって野次やらなんやら!」
千春が怒鳴った。
「なによ、ヤルつもり?」
マージは"剣"を取り出した。
「…!」
開いた口がふさがらないとはまさにこのこと。私達は後ずさり。
もうダメだ…と諦めたその時!
「しばらくは、私の相手をしてもらおう」
そういって。
美少女が舞い降りてきた。
続く