暗い部屋の中。
私はぼろぼろのベッドから身を起こし、枕元のマルボロに手を伸ばした。sex後の一服は至福のﾄｷだ。
さっきまで猫のように快感に身をゆだねていたくせに、その後の煙草のほうが至福であるなんて、何か矛盾している。
ふと隣で寝ているｻﾄﾙに目をやる。子どものようなあどけない顔ですやすや寝ている。
ｻﾄﾙと一緒に住み始めて、もう5ヶ月になる。
福岡から都会の大学行きたくて、東京に出てきた。けど、やっぱりあたしは中途半端で、２回生になってからは全然学校に行っていない。除籍寸前。
同じﾊﾞｲﾄ先のｻﾄﾙと酔った勢いでやっちゃってから、それ以来一緒に住んでいる。付き合っているわけじゃない。けど、今の宙ぶらりんの関係があたしにはすごく心地よい。たぶんこれが彼氏彼女の関係だったら、うまくいっていない気がする。
ｻﾄﾙの寝顔はほんとにｶﾜｲｲ！半開きの口と目がすごくﾏﾇｹでたまらない。あまりにもﾏﾇｹだったから、思わず髪をなでなでしてしまった。
寝ぼけているｻﾄﾙはあたしのふところの中にもそもそ入ってくる。そんなｻﾄﾙをあたしはぎゅっと抱きしめて、またベッドで横になった。
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