そこは、まるで独房だった。壁は白く、そこには悪戯描きが沢山描かれている。窓はあるが、外側には鉄格子が取り付けてある。扉は鉄扉で鍵が、これも外側から取り付けられてある。床は板張りで、トイレはあるが、そこから流すことはできない。床に唯一あるのは、ピンク色のマットレスがあるだけ。そこに坂木純は独り膝を抱えている。一月の冷気をこらえながら。純のいるのは、精神病院の保護室であった。
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