次の日、僕は浮かない顔で小山内さんのいる病院へ向かっていた。
あのナイフ…一体何に使えばいいのだろう…。しかも今回は一回り小さな箱ははいっていなかった。もしかするとこれで伝染は終わったのだろうか?
考えながら歩いているとすでに病院に着いていた。病室をノックしても返事がない…
「小山内さん?」
部屋を開けるが、小山内の姿は見当たらなかった。
絶対安静なのに…何をやってるんだ?
すると携帯が鳴った
「小山内さん?今どこにいるんだ?病院にきたのに…」
「私。もう。疲れちゃった。
病気と戦うの、嫌になっちゃった…
病室の引き出しにあの小箱。
置いといたから。あなた宛てだったから……じゃぁね
楽しかったわ。」
「バカ!ふざけんな…ふざけんじゃねー!どこだ?どこにいんだよ?ぶん殴って目を覚ませてやる!どこだ?」
「お願いだから…死なせて…楽にさせて…(ガタンゴトン)」
電車?僕は迷わず走っていた。あの音は家のアパートに間違いない。裏を走る私鉄の音だ。
僕は必死に走った。