二年前の9月。始業式だった。長い夏休みが終り、いつも通りスタートすると思っていた。
遅刻しそうだと、あなたは駆け足で学校に向かった。
行ってらっしゃいと、あなたの後ろ姿を見ていた。
朝食のかたずけをしていたら、ドアの開く音。振り返ると、あなたがいた。
あなたは、黙ってうつむきソファーに座りこんだ。
私は忘れもの?
あなたは....学校の近くまで行き正門を見た時、気付いたら家に向かって走っていたと答えた。
私は、意味が判らなかった。
あなたは、ソファーに座ったまま動く気配もなかった。
不安な気持ちが押し寄せて来た。
この日から、私達もあなたも辛く長い道を過ごす事になったね....