中学三年の頃、私は思いっきり恋をした。
友達を作るのが苦手だった私は、中学生最後のクラス替えで新しいクラスに溶け込めるか物凄く不安だった。
新しいクラスは三年七組。唯一二年の時同じクラスだったアスカちゃんと同じクラスになれ、少しホッとした。でもアスカちゃんは少しおとなしいコで小人数のコとしか仲良くしないので、二年の時は私も友達が少なかった。
だから本音はアスカちゃんとは同じクラスになりたくない気持ちもあった。
でも心配する必要はなかった。新しいクラスになった初日、私は小学校の時仲良しだった瞳ちゃんに声をかけられ、その次に出席番号が前のななみちゃんと初めて話をした。
男子で一番に声をかけてくれたのは、私と同じ名字の吉澤けんじクン。私はけんじクンの事を一年の時から知っていた。何でも双子の弟がいて二人とも女たらしと言う噂で有名だった。それに同じ中学に同じ名字の人がいるだけで少し気になってしまう。
けんじクンはものすごく元気が良くて、たぶん私と同じ気持ちだったのか、出席番号も近かったので後ろを向きながらよく話しかけてくるのです。
でも私は何故か話しかけられても「はい。」「うん。」としか答えられなく、いつも話が続きま