なんでかな?
愛しい人が側に居るだけで、嫌な授業だって楽しいの。
今日もあなたはあたしの隣りで、静かに寝息をたてている。
これって、隣りの席の人だけの特権じゃない?
風に揺れる髪の毛が
日に当たったその姿が
高すぎる身長が
あなたの雰囲気が
長過ぎる前髪だって
あなただから愛しく想えるんだ。
授業なんかより、ずっと見てたいよ。
「そんなに見つめないで。」
「えっ起きてたの?」
「視線がいたくて。」
「ごめん。」
「うん……でも嬉しいかも。」
授業なんかほっといて毅琉とずっと話してたいよ。
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「毅琉は、進学?」
「就職だよ。」
「なんで?」
「勉強なんかしたくねぇよ。」
「だよね〜」
「うん。………いつまでも、俺の側に居てくれるよな?」
「何急に!?」
「気持ち知りたい。」
「え〜。」
「返事。」
「そんなの決まってんじゃん!」
だよなっ!てあなたは微笑んだ。
誰よりも輝いて見えて、吸い込まれそうだった。