「いただきます!」
手を合わせ、満面の笑みのアズサは
見ているだけで癒される。
さすがにキムチは食べなかったものの、煮物はアズサの大好きな筑前煮だったので
ご飯と交互に箸が往復した。
はぐはぐ…
夢中でほおばる姿は、まるで小動物のようだ。
『タダイマ、7時55分、タダイマ、7時55分』
見ていたテレビが8時直前を知らせた。
「行ってきます!!」
いつもは自転車なのだが
腹ごなしと言って家を飛び出した。
……
学校についた。
「あ、アズサおはよ!」
「遅いよ〜!」
教室に着くと、友達のマイとサキとハヅキが、
サキの机の周りを囲んでいた。
どうやら恋バナをしていたらしく、
席につくと私の周りに群がってきた。
「ねぇねぇ、サキが昨日ナオキ君に告られたんだって!」
ナオキ君は、サキが前々から気になってたという人だ。
「本当ー!?」
「えへッ?」
サキは凄く嬉しそうに天井を見上げる。
「良かったじゃん!」
当時から応援していたアズサは、自分のことのように喜んだ。
続く