龍と狼19

武藤 岳  2007-10-18投稿
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柳田自身、本当に何も知らなかった。
『公安、いや、日本政府は今回の大規模テロに関して、全く情報がない・・・ノーマークだ。』
柳田はショックを隠せなかった。

全く情報がない今、仮にこうしている間に、日本の何処かでテロが発生すれば、お手上げだ。日本の公安の権威も輝かしい業績も地に墜ちる。
とりあえず落ち着こうと、デスクに戻ると、新しいメールが届いていた。

アイアンの妻と名乗る人物からだ。
だが、そこには聞いた事のない名前が記されていた。
“ヤナギ、彼はニホンオオカミを追って西海岸に行った。そしてサンフランシスコのテロに巻き込まれた”

『どういう事だ!??』
柳田は怪訝な表情になった。

ニホンオオカミ・・?
西海岸・・?

意味がわからない。
アイアンにマークを依頼していた人物はそんな名前でもコードネームでもない。それに、アイアンもその人物も所在はニュージャージー、つまり東海岸にいるはずだ。

繋がらない。

『俺以外に誰かクライアントがいたのか?じゃあ、俺が依頼した人間はどうなっているんだ?』
疑問が湧いてきた。

その時、メール受信を知らせるメロディが鳴った。
CIAの対テロ情報員からのメールだった。

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