「本当に良かったねぇ、サキ!」
アズサはナオキとサキが付き合うという知らせを聞いてから、顔が緩みっぱなしだ。
「何でアズサがニヤニヤしてんの〜??」
そう言うハヅキも何か嬉しそうだった。
……
放課後、何となく普段なら目に留める事もない図書室に行ってみようと思った。
「失礼しまぁ〜す」
シーン……
図書室は静まり返っていた。
『なんか恥ずかしくなってきちゃった。なんであたしこんなとこにいるんだろ?』
あたりを見回すアズサ。
壁紙が何色か分からない位本棚が隙間無く置かれ、
その中に分厚い本が隙間無く敷き詰められている。
『……』
『帰ろι』
アズサが廊下に出た時だった……
トサッ……
何かが落ちたという感覚がアズサの足を止めた。
「…?」
淡色の絨毯の上にある書籍らしい物を見つけ、拾い上げて見る…
「小説…?」
アズサの手の中には
【strawberry】
とだけ書かれた真っピンクの小説があった。
続く