僕はナオのことが大好きだ
ナオが僕への気持ちを口に出して言わなくても
僕らの出会いはあるデパートで彼女の落とした水色のハンカチを拾ってあげたことで始まった
丁寧に何度もお礼を言う彼女に僕は「大丈夫です」と答えた
その日で彼女との出会いは一瞬の出来事として終わったかのようにみえた
そんなナオとの出会いから数日後
同じデパートでいつも通り買い物をしていると
彼女の姿をみかけた
「あの人もここけっこう利用してるんだ〜」
ふと思った僕だが 何事もなかったかなように買い物を続けていると
「この前はありがとうございました。本当に助かりました。」
彼女の方から声をかけてきた
僕は驚いてふりむき 緊張したまま
「い いえいえ、なんのこれしき。とんでもない。」
口から出る言葉がぎこちないのに気付きながらも返答した
「にこっ」
とナオが笑うとともに僕も
「あははははっ」
思わず笑ってしまった
「面白い人ですね。優しいし」
ナオが笑顔で答える
「面白い人じゃないよ。ちょっと変な人だよ。」
僕は更に壊れる
「あははははっ うふっ」
「不思議な人ですね。私も天然ってよく言われます。」
「ならお互い天然同士だね。天然同士仲良くしてください。」
なぜか知らないがそう言ってしまった僕
「喜んで。私でよければ仲良くしてください。」
ナオも即答した
「本当に仲良くしてあげてください。友達になってあげてください。」
僕はうれしい気持ちを押さえきれない
僕たちはその後アドレスを交換しメールでの付き合いがスタートした
幸せな日々が続く予感がした
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