一.
碧い空・・・
宙にまで続くかのような空・・・
“紺碧の空”って、きっとこんな色の事を言うのかな・・・。ねえ、留衣・・。
二.
八月の大阪はメチャクチャに暑かった。
四月の異動で、横浜から大阪にやって来たけど、正直言って“耐えられねえ”って感じだった。
“八月の平均気温日本一高い街”
伊達じゃないね。
会社が用意してくれたマンションのすぐ近くに、大阪では結構有名らしい、お嬢様学校の女子校があって・・・
うん、悪くはないね、大阪も。
横浜に、四年付き合っている彼女を残してきた。
「ついて来てほしい」
プロポーズのつもりだったんだけどなあ・・・。
真っ向両断された。
別れたわけじゃない。でも、彼女には彼女のしたい事もあるし、彼女が携わっている仕事も順調だし、お互いが納得してからでいいんだ。
そう、今、思えば、あいつをあんなに苦しめるのなら、いっその事、プロポーズを断られた時に別れたらよかったんだ。
二.
“突然の出会い”
ドラマによくあるパターンだけど、現実にはありえないと思っていた。
でも、俺と留衣が出会ったのは、その“突然の出会い”だった。