君と宙(そら)へと還りたい2

武藤 岳  2007-10-19投稿
閲覧数[284] 良い投票[0] 悪い投票[0]

三.

仕事で営業車を運転している時に、抜け道を行こうと思って覚えたての道に入ると、曲がる所を間違えてしまい、住宅街に入り込んでしまった。

「まいったなあ。」

ちょっと俺は焦っていた。
大阪の人間ってイラチで時間にうるさそう・・・。
現に俺の上司も大阪人だが、やたらと時間にうるさいし、細かいっ!

引き継いだばかりの、お得意先を怒らせてしまったら大変だ。
そんなマイナスの事を考えて運転していたからだろうか、見通しの悪い小さな交差点で俺は、右側から進入して来た男子高校生の自転車軍団の群れの中に突っ込んでしまった。

「危ねえっ!!」

お互いがびっくりして叫んだ・・と思う。

軍団は散り散りになって旋回し、なんとか事故は回避された。

「おっさん、何処見て運転してんのじゃっ!!」
「あ〜、痛っ!足の骨折れたわっ!病院代出せや!クソボケがぁっ!」

謝ろうと思って、車から飛び出したが、まあ〜、元気のいい事元気のいい事。
こりゃ、安心だわ。

そう思ったら、途端に腹が立ってきた。

大人に向かって、ナメた口聞きやがって。

あんまりしつこくつっ掛かってくるヤツがいたから、思わず頭突きをしてやった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 武藤 岳 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ