アイアンとは違う。現役の対テロ組織の情報部員だ。
彼とはもう何年も連絡を取っていない。
このテロの事で何か判ったのか？
柳田はメールを開けると、また怪訝な表情になった。
“ディア ヤナギ。
先ほど、我が合衆国政府に対して、サンフランシスコ・ソウル・ブリュッセルで行われた大規模なテロ攻撃の実行犯と思われる組織、又は人物から犯行声明が送られてきた。
だが、全く知らない名前の為、今、我々は総動員してその確認作業にあたっている。
確認が取れない限り、合衆国政府としても公式発表ができない。
だから時間がない。ヤナギ、君は‘ニホンオオカミ’と言う名前を知っているか？
‘ニホン’とつくので、日本人又は日本の組織の可能性がある。
君達がニホンオオカミに関する情報を持っているなら、提供してくれ。”
ニホンオオカミ・・・
『まただ。』
柳田は更に顔を曇らせた。
全くの初耳である。
『なんだ？新規参入のテロネットワークか？』
今回の攻撃は、無差別テロを装おっているが、サンフランシスコもソウルも確実に要人が殺害されている。
詳細は判らないが、ブリュッセルでも要人が殺害された可能性が高い。
となると新規参入では難しい。
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