午後2時30分
秋留野市某所
「もうそろそろG,O波流すから撮影頼むよー」
「了解しました。」
閉め切ったカーテンの黒いバンの中で白いスーツを着た白人の男は携帯を切った。
「もうすぐですね。
彼女が目覚めるのは…いや復活と言うべきかな。」
隣りに座る黒いスーツに身を包んだ紅い瞳の白翼人の男はそう言うと目の前に置かれた液晶のモニターを見てニヤリと笑った。
「もうすぐ2000年振りの再会になるけど…連れてくるのは妹だけにしてくれよ。
メフィアにはちょっかいを出さないでね。」
「アイツには何もしませんよ。
今は…ですけど…」
*
2時40分 はなぞの保育園
「宅配便でーす。印鑑お願いしまーす。」
「はーい。」
『あれ…?
これ何だろう…?』
田村が驚くのも無理は無い。
送られて来た荷物は包装された細長い得体の知れない物体だったからだ。
『しかも宛先が匿名だし………まぁいいか…』
田村は気掛かりではあるが、印鑑を押した。
「ありがとうございましたー」
田村は床に置かれた細長い物体を拾い上げた。
「重い!!
中身は一体なんなのよ!?」
「それちょうだい。」
「えっ!?
美華ちゃん?」
後ろには美華がちょこんと佇んでいた。
「ダメよ。
これは先生の大事なお荷物だから。」
「そうなんだ…
じゃあ先生の命ちょうだい。」
「はぁ!?」
背中の黒い翼が大きくなり紅い瞳が光った。
「いただきまーす。」