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しばらく歩いた。
「ねー、いったいどこに行くわけ?」
しびれをきらした千春がラニに訊く。
「てゆうか、いろいろ訊きたいことがある」
「前を見て歩け。大きな建物があるだろう。あれはkids・town。今からそこへ行く」
ラニは歩くスピードを少し速めて、平然と言った。
前を見ると、確かに建物があった。でも…。
その建物と言ったら、すんごく大きい。なんか、日本全国の小・中学校・高校・大学をぜーんぶ併せて、更に東京ドームを2つくらい併せたようなかんじ。この説明で、理解できる?
「…ねぇラニ、この建物、なんでこんなに大きいの?」
私は「もしかしたら、この建物はラニの家とか…?」と思って訊いてみた。
しかし、
「…この建物は、kids・townといって、子供たちはみんな、ここに住んでる。で、私はここの最高責任者、子供を守る義務がある。まあ、私も子供だけどな」
ラニの透き通った青い瞳が、少し細くなる。
「そういえば、ラニって、RPGに出てきそうな服着てるね。変なの」
あーずが変なところを突っ込む。
「…この服は、私の友人がつくったからな。誰も着ていないと思うよ」
そんな話をするうちに、kids・townにについた。
どうやら、一階が入り口で、一階以外には、大人ははいれないみたい。
ラニは受け付けのお姉さんに話しかけると、エレベーターのボタンを押した。
私達も後からついていこうとすると、
「お前たちはここでまってろ。死にたくないならな」
死にたくないなら…?
「私はいまから最上階の99階にいく。時間がかかるかもしれないから」
最上階が99階…?
「ねぇ、ラニの部屋が99階にあるの?」
千春が訊くと、
「一応、私の部屋はある、というより、99階は私の敷地だからな。でも、私の他にも、4人住んでる」
…もう、なにを訊いても驚くものか!
私の頭は不安と驚きでいっぱいで、ラニがエレベーターに消えると同時に、床に崩れた。
続く