まぁ、気になってるって言っても、尊敬の意味合いが強いかな
高一の時、私はイジメを受けていた クラスで唯一留年していた「侑子さん」と、子分のように侑子といつも行動を共にしていた女子3人に・・・
このイジメは、高校に入学してすぐに行われた体力測定での、ある出来事がキッカケだった
「位置についてー」
体力測定恒例の50m走が始まり、私は侑子と走ることになった 侑子さんはクラスでも1・2を争うほど足が早いと評判だった でも、私も中学生の時にテニス部だったので、短距離なら自信があった
「よぉーい、ドン」
私は全力で走った
結果は私の勝ち 別に勝負をしていた訳ではないけど、0.1秒だけ私の方が速かった 自己ベスト!
私はちょっとした達成感と満足感に浸っていた
すると侑子とさんが私に近寄ってきた
「紫、速いねー」
私は少し嬉しかった
「いやー、侑子さんもかなり速かったですよ」
私は何気無くそう返した
「ありがと」
気のせいだろうか
そう言った侑子さんの口元には笑顔がなかった