千明の放心状態がしばらく続いた。
「どうかしましたか?」
おっさんが千明の目の前で手を振った。
千明はそれに気づいてやっと言葉を発した。
「嘘だ…おっさんは女子高生を届けに来た業者の人だろ…?」
「違いますよ。私が賞品ですよ。設定は中年男性、50歳です」
千明の膝は崩れ落ちた。
「賞品は本人が望むものだろ…何でおっさんなんだ…。もしかして!俺はそっちの趣味があったのか…!?…いや…それは絶対ない…!」
千明は混乱状態で狂いはじめた。
「落ち着いてくださいよ!私でいいじゃないですか!何が不満何ですか!?」
おっさんは千明を必死になだめた。
「やだよ!あんたじゃよろしくねぇよ!全部不満だよ!てかベルトの位置高ぇんだよ!」
千明は思っていたことを全部吐き出した。
「裾が地面につくんですよ!これ以上ベルトを低くすると!」
「どうでもいいよ!そんなこと!」
それから2時間ほど千明とおっさんはギャーギャーと言いあった。
さすがに2人は疲れたのか眠ってしまった。
千明は朝起きたらおっさんがいなくなっていることを願った。