指輪

シノ  2007-10-20投稿
閲覧数[651] 良い投票[0] 悪い投票[0]

浩之の母の礼子に呼ばれて、理沙は病院に着いた。
ベッドに横たわっている浩之の、青白くて痩せた顔を見る度、涙が出そうになる。
おそらく今夜が山だということで、理沙も病院で見守ることになった。

浩之と付き合って三年になる。しかし、ここ数ヵ月は完全に冷めきっている状態だった。
それは、世間から見たら付き合っているとは言えない状態なのかもしれない。
しかし理沙は、こんな関係でも、一緒にいられることだけで幸せだと思っていた。

午前一時を回って、容態が急変した。
そして、苦しみながら浩之は、理沙の手をとり、何かを言おうとした。しかしそれを伝えることが出来ないまま息を引きとった。浩之は理沙の手を握ったままだった。

数日後、理沙は、浩之の家に来ていた。浩之の部屋を整理するため、何か欲しい物があれば、持って帰っていいと、礼子が言ってくれた。
理沙は、箪笥を開けた。その中に小さな箱が入っていた。箱を手にとり、開けてみると、RとHが刻まれた指輪が入っていた。
理沙は指輪を握りしめ、その場で泣き崩れた。



i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 シノ 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ