案内人

白い烏  2007-10-20投稿
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私が、この仕事を始めたのがいつからだったのか…、すでに記憶にすらない。
気付いた時には、このビルの上に立っていた、そして、案内すべき人を待っている。
今日、ここに来る者は…、しかし、まだ時間が有るようだ。
ふと、ビルの角の交差点に目をやる、まだ若い女が要るのが見える、彼女は二日前この交差点で事故に遭いそして、死んでしまった。
しかし、彼女は自分の死を受け入れず、あの場所に留まってしまったのだ、案内人の私としては、一日も早く彼女を説得し、天上界へと連れて行かなければ…、いつまでも人間界に留まって居ては天上界への扉が閉ざされてしまい、永久に彼女はあの場所から動けなくなってしまうのだ。
この街にもそんな者達が沢山要る、生きている人間には見えないだけ、それが見えたら大変だ。
自分の隣に居るはずのない人達が普通に要るのだから…。
そこに留まる理由は、怨み嫉みそして愛する者の為など人様々である。
うん?どうやら迎えに行く時間が来たようだ、今日は、45才の会社員、働き盛りだ。
確かに病気だが、私からすれば病気だろうが事故だろうが、全てが寿命なのだ!ただ、ジャンル分けしているに過ぎない。
彼は素直に死と言う物を受け入れた、しかし、家族や友人達は彼の死を素直には受け入れずに騒いでいる、確かに解るが…そんな事より今は、案内人として彼を天上界の扉迄案内しなければ。
間違えないでほしい、私は、死神では無い!命を絶つ事はしない、死んだ者に死と言う物をを受け入れさせ天上界導く事だ。
仕事はまだ終らない。



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