気が付くと私は男の横っ面を張り倒していた。 「ふざけるじゃねぇよ。いつまでも家柄のうえにアグラかいて居られると思うなよ。才能がなければ、一代で家が潰れることなんて、よくある話だ」 その時の彼の間抜けな顔は今でも覚えている。 初めて、私の中に『男』を見たのだろう。 「―…このガキ!せっかく人が可愛いがってやるって言ってるのに!分家のクセに!」 地面の上に勢いよく突き飛ばされた。 目の前に、男の手が飛んでくる。肌に触れる寸前、それはピタリと止まった。
新着小説100作品 恋愛ミステリSFファンタジーホラーエッセイ日記ノンジャンル公募投稿作品アドベンチャー詩・短歌・俳句スポーツコメディ学園物その他管理人用