そして、全米の大リーグファンも注目する、韓国からやって来た剛腕投手の地元デビューを、政治的なアピールも含めて、マッコール州知事も観戦に来ており、他に在米韓国人や韓国から観戦ツアーで訪れた観客も大勢詰めかけていた。
球場に訪れた人達が、ベースボールに夢中になっている幸せな時を狙って、卑劣な悪魔が仕掛けた爆弾が、獰猛な牙を剥いて何の罪もない人々に襲いかかった。
サンフランシスコでのテロ発生の数分後、次はブリュッセルが悪魔の標的になった。
報道では駅が爆破されたと伝えられたが、正確には駅近辺にある、劇場が爆破されていた。
この劇場では、韓国から来た劇団の公演が上演中で、そこにはEU(欧州連合)の行政機関、欧州委員会委員長トーマス・ヘイトンもいた。
『何かがおかしい。』
そして柳田は、一つの仮説に達した。
この大規模なテロの中で、日本は何の被害も受けていない。
被害に遭ったのは、それぞれの政治組織で要となる要人達だが、共通して、どの事件も大勢の韓国人が狙われた。
実は要人殺害を装おっての、無差別・・いや、韓国人への無差別テロではないのか?
日本からすれば、北の工作のように映るが、世界から見れば